皆さんは、国民健康保険や企業保険などに加入されていると思います。病院で診察や検査を受けたり、薬を処方された場合、原則的には費用の3割負担で済むわけです。
しかし、病院に行っても、保険が適用されないケースもあります。
この本でテーマにしている「予防医学」が、まさにその保険が適用されない典型例です。
「風邪」のために、病院へ行ったときのことを例にご説明しましょう。
保険が利かない予防例:風邪の治療と予防
風邪をひいてしまったとき、多くの皆さんはまず病院に行くのでは?
医者の診察を受けた後、点滴を打ったり、薬を処方してもらいますよね。この場合には、もちろん保険は適用されます。しかし、風邪をひかないようにするために、健康な状態で病院へ行ったときはどうでしょうか。
例えば、ウィルスに対する免疫力を高める目的でビタミンCを点滴したり、関連のサプリメントを服用する場合には、保険は一切適用されないのです。
これでは、予防のためにかかるお金より、実際に病気にかかってしまった後に治療を受けたほうが“安上がり”ということになります。
このような現状が、「病気になったら病院に行けばいい」という考えを持たざるを得ない環境を生み出してしまっているのです。
日本人にも予防医学が必要
インターネットの発達により、自宅にいながら世界の様々な情報を手に入れることができます。そのおかげか、日本でも、ようやく予防医学が注目されるようになりました。サプリメントに興味を持つ方が増えているのも、そのせいではないでしょうか。
しかし、本当の意味での予防医学をきちんと理解している方はどれくらいいるのでしょうか?
予防医学を正しく理解し、実践している方は、残念ながら少ないように感じます。これは、現在の日本の保険診療制度の弊害でもあるのです。
病気は「治す」ものではなく、「予防」するもの。
このような考え方が一般的になることが、私の願いです。皆さんにも、このことを忘れないでいただきたいと思います。